コラム Pet

ペットの嗜好性

食べることは日常の一つにあります。家族に迎えたペットたちの食事事情。餌を捕って食べる動物たちと違い、家庭の中で人が管理をして供給していきます。“猫はグルメ”ともいわれるように、犬よりも嗜好性から影響が多く、食べムラに悩むご相談が多いです。

一般的な彼らの嗜好性に繋がる感覚を整理してみたいと思います。

食べるという行動の中にも、三つの導線があります。つまり、三つの感覚が関係してきます。優れた嗅覚、触覚(食感)、味覚。この三つが連動します。嗅覚で好みのにおいを嗅ぎ分けます。口に入れた食べ物を噛むことで、今度は触覚を用い、いろいろなことを確かめます。大きさ、形、舌触り、不要なものが含まれないか、食べられるかどうか、好みも含まれているかと思います。最後に総合的な味覚にたどりつきます。味覚を感じる器官が味蕾(ミライ)と呼ばれることはご存じの方も多いと思います。人と比較すると人が約6,000個のところ、犬は約1,600個、猫になると約500個と数が少ないとわかっています。人の視覚的見栄えは、彼らの嗜好性においてあまり重要ではありません。

ペットたちの感覚でも内容にふれていますが、個体差や犬種、犬と猫でも臭覚・触覚・味覚の働き方が大きくことなります。犬は嗅覚が優れていること。犬と猫とで味蕾のそれぞれの感度が異なること。外的要因になる季節や環境の影響も受けること。お薬を服用する子たちは、その薬剤の影響も受けています。また年齢によっても変化するということ。人の美味しいさとは、異なる視点からの食事選び、そして栄養のバランスを意識してあげれると良いでしょう。そして、まず食べてみようとなってもらうためには、臭覚にポイントがあるということを覚えておかれるとよいでしょう。では、どんなことができるのかを一緒に確かめていきましょう。

食べてくれない。困った。さあ、どうしますか?

急に食べなくなった。ほかの症状や変化が見られれば、内部的な異常もあるかもしれません。体調も見ていく必要が出てきます。体調が悪いと言語で伝えられない彼らの状態は、見つけたときはなるべく迅速に動かれることをおススメします。

健康状態が良いけれど、食べない時は環境や香り、年齢も考慮しながら原因を探ってみましょう。必ずどこかに理由があります。

食べムラが多い子や胃腸系が生まれつき弱い子もいます。人の体質が改善できるように、外的要因からの影響で何が起きているのかを見つけていくと、彼らの体質改善も不可能ではありません。言葉が話せないので、時間はかかりますが丁寧に紐解いていくことで、気を配るポイントが把握することができます。

これは、ありがちなことなのですが、人が自ら食べムラを創り出してしまうことがあります。彼らはとても賢いです。そして人を良く見ています。気にいらない→食べない行動に繋がります。その理由を探さずに、食べないから、次から次へと種類を変えていく。その子のお気に入りに出会えれば、それでも良いのかもしれませんが、彼らは学習をします。食べないと、違うモノがでてくるということを覚えるんですね。食べさせたい側と、お気に入りが出てくるまでのイタチごっこが始まってしまいます。子供たちにご飯を食べさせるために次から次へとモノを変えるというよりは、どうしたら食べてくれるのか?を見つけることが大切なように、ペットの食べないを解決するにも変える手段だけでなく工夫することが必要になってきます。

動物病院にいたころ、新製品の処方食(ペット用)が出るたびに、ドライフードに関しては試食をしていました。人とは違いますので把握できるポイントは、香りと味覚。その上で、臭覚が鍵であることから彼らの好む香り(個体差あり)があるということを念頭に味見します。おススメはしませんが把握するときに一つの方法として取り入れていました。

体力が落ちていて、とにかく食べさせたい!そんなときは、選んでいる暇はないので、お気に入りがある子はお気に入りを中心に体力をつけます。食べムラのパターンで、ドライフードは食べないけれど、ウェットフードは好きな子も多いです。彼らは丸のみすることがほとんどですので、歯の健康状態を考えたり、金額を考えるとドライフードを食べてほしいというところもあるかと思います。そして、お腹が空いているかいないかも寄ります。そっと離れて時間を置くことも必要です。

工夫できるポイントを書いてみますね。香りも鍵になります。

  • 〇お腹がすいていないことも考えられるので、置いておく時間を決める。食べなかったら食事を下げる。(健康体である場合)
  • 〇フードを温めて香らせる。熱いまま与えず程よく冷めてから。
  • 〇ウェットフードを小さじ程度、ドライフードに万遍無く混ぜる。
  • 〇ドライフードをお湯でふやかして、食べやすいように柔らかくする。
  • (高齢や体調不良など)同じくお湯は適度に切り、
  • 程よい温かさになってから香る間に与える。
  • 〇好みを探すために、同じお皿に、何種類かを一緒に少量のせて与えてみる。
  • (注意、温める方法に電子レンジはお勧めしません。)

ついつい買い替えるだけになりがちな彼らの食べムラや、様々な変化で生じる食べない問題ですが、できることもたくさんありますので、工夫して一緒に楽しく豊かな生活につなげていかれてください♪  こうしてみていくと子育てとなんら変わらないということにも気づいていけます。大切な命を大事にしながら素敵な時間をたくさん過ごしてくださいね。

 

記 仙華/メッセンジャーちぃ

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